ー情報圧縮というアプローチー
コミュニケーションのズレの考察 4
いままでのおさらい
コミュニケーションにおいて、
表面的であれ内面的であれ、
「ズレ」というものは常に発生しているため、
完全に同じ意味で伝わることは前提にしにくい。
また、どれだけ丁寧に説明しても、
受け取り方のズレは一定量発生する。
ズレの構造
ズレの原因を整理すると
① 自分と相手方が
常に同じ情報を共有しているということは無い。
② 収集した情報は、必要に応じて
それぞれのセンスで圧縮されるので
当然にズレが生じる。
③ コミュニケーションの多くは、
相手が
「不足した前提や意図を補ってくれること」
を前提に成立している。
しかし、その補完には個人差があるため、
理解の成立が
相手に依存する不安定な構造になりやすい。
④ 蛇足な完全説明が、相互理解の妨げになる場合がある
解決方法としては
この構造を前提にすると、
解決は「完全な説明」ではなく、
相手との共通認識を起点に、
必要な情報だけを再構成して渡す設計になる。
方法論(情報圧縮アプローチ)
社内のコミュニケーションでは、
業務や用語などの前提がある程度共有されているため、
情報を圧縮したやり取りでも成立しやすい。
個人間のコミュニケーションでは、
前提が共有されているとは限らない。
そのため、情報を圧縮するか展開するかの前に、
「そもそもどこまで前提が共有されているか」を
確認する必要がある。
1 前提は最小限にする
すべての前提を共有しようとすると
情報量が過剰になり、相手の処理負荷が上がる。
そのため、
- 「この話に最低限必要な前提だけ」を先に出す
- 不要な背景は最初から乗せない
「聞き始めの処理負荷を下げるための圧縮」
2 背景情報は後出しにし、骨格だけを残す
情報は多いほど正確になるわけではなく、
むしろ構造が見えにくくなる。 そのため、
- 結論
- 目的
- 対象
といった「骨格」だけを先に提示する。
「理解の軸を先に固定する」
3 相手が補完できる余白を残す
ここは少し誤解されやすいので重要
補完を「任せる」のではなく、
「補完してもズレにくい範囲だけを残す」
つまり
- 全部を説明しない
- でも致命的な前提を省略しない
「安全な範囲だけ省略する」
4 必要な場合のみ確認ループを入れる
相手の理解は初回で完全に一致する前提ではない。
そのため、
- 「ここまで大丈夫ですか?」
- 「前提から説明した方がいいですか?」
といった確認を挟み、
「不足している部分だけ後から補う」
結論
コミュニケーションのズレは「消す対象」ではなく、
「前提として制御・設計する対象」という可能性がある。
完全一致を目指すのではなく、
ズレがあっても成立する構造を作ることが
実用的な解になり得る。


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