出口ってなんだ?

私の(俺の)季節

― 人はなぜ「辞めたい」のに辞めないのか ―

五月病の考察002

「転職したい。」

5月になると、

そんな言葉を検索する人が増えるらしい。

「副業」

「投資」

「AI」

「資格」

「FIRE」

「地方移住」

ネットやSNSには、

「今の人生から抜け出す方法」が

大量に流れてくる。

しかし不思議なのは、

多くの人は、

実際には

そこまで急激に

人生を変えないことだ。

「会社を辞める人」や

「独立する人」もいる中で、

「今のままは嫌だ」と

思いながら、

翌日も普通に出勤する人がかなりいる。

私も、

「もう嫌だ」

と思いながら出勤していた。

行政時代もそうだし、

介護職でもそうだった。

辞めたい。

逃げたい。

もう無理だ。

そう思いながら、

次の日になると

普通に仕事へ行く。

では、

人は本当に

「今すぐ辞めたい」のだろうか。

恐らく、

気持ち的には本当だろう。

たぶん多くの人は、

確かに辞めたいと思っているが、

「今の生活を完全に捨てたい」

わけではない。

本当に欲しいのは、

「出口」なのだ。

しかもその出口は、

今具体的に

目の前にはないし、

もしかしたら

退職届ではないかもしれない。

「少し余裕が欲しい」

「未来の可能性が欲しい」

「今よりマシかもしれない選択肢が欲しい」

「閉塞感から離れたい」

つまり、

「完全離脱」ではなく、

現在歩いているルートとは違う

他のルートを探す。

だから人は、

転職サイトを見る。

副業動画を見る。

AI情報を見る。

投資系YouTubeを見る。

別に今すぐ会社を辞める覚悟があるわけではない。

しかし、

「もしかしたらもっとましな選択肢があるのでは?」

と思って出口を探す。

だから5月という時期は、

かなり特殊だ。

新年度の緊張。

新しい人間関係。

終わらない仕事。

GW明けの現実。

そして、

「今年もこの生活を続けるのか」

という感覚。

ここで人は、

未来を検索し始める。

しかし現実には、

未来を検索し始める。

しかし現実には、

「住宅ローン」

「家族」

「年齢」

「体力」

「社会保険」

それらを踏まえたうえでの「退職リスク」。

そう簡単には動けない条件が

大量にある。

だから結局、

「出口を探しながら現状維持」

という状態になる。

このことについて私は、

「非常に今の日本ぽいな」と感じる。

聞けば、

GW明けは

退職代行が最も忙しい時期らしい。

よくニュースでは、

「新規採用の職員がすぐ辞める」と言うが

その実…

辞める大半は

2~3年目や

中堅・ベテラン勢が占めているという。

昔より自由な情報は増えた。

選択肢も増えた。

2010年代くらいまでは

「終身雇用」などと言っていたが、

それも言われなくなって久しい。

現場では、

一人当たりの負担は

確実に増えている。

かといって経営陣が、

人数を増やすことには消極的だ。

この状況で

出口が見えなくなって

辞めようと思うのも、

決して間違いではない。

しかし同時に、

「失敗した時のリスク」と

挑戦を天秤にかけた時、

現実的かどうかを測ることになる。

だから人は、

飛び出すより、

一旦踏みとどまって、

探した出口をもう一度確認する。

出口は見えているものの、

「本当に自分にとっての出口」なのか?

だから5月は、

単なる「五月病」ではなく、

「このままの人生でいいのか」

を確認する季節なのかもしれない。

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